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私がマラソンを走る理由 4話 全7話

数ヶ月が経った頃、後輩から「フルマラソン出ませんか?」とお誘いが…

最初は「いやいや、フルマラソンなんて無理無理。42キロでしょ?」と前向きにはなれませんでした。

しかし、ダイエットにも成功しある程度の肉体を手に入れた僕は…色んな人に「何普段からスポーツされていますか?」と聞かれることも多くなりました。

当然「走っています」と答えます。

すると…「自分も前は走ってて、フルマラソンも完走したんだけどな」と何度か言われることもありました。

それを耳にしているうちに…

なぜか…ボクの心の中の闘志がフツフツと燃え上がってきました。

負けたくない気持ちがあるのでしょう…

フルマラソンを走ることを決めエントリーを完了しました。

後輩と共に約半年後の「下関海響マラソン2021」に向け練習の日々が始まります。

これまでは10㎞以上の距離を走ったことがないので、少しずつ

走る距離を伸ばしていきました。

15㎞までは特に問題なく走ることができましたが…

21㎞…いわゆるハーフマラソンの距離になると一気に足が棒になってしまいます。

時間も限られている中、何度か21㎞を練習した後に少し距離を伸ばして25㎞走ってみましたが…

ダメです。25㎞は体力の限界を超えて、走り終わった後にしばらく動けなくなります。

もう走りたくない…

そんなことも思いつつも

せっかく出場するフルマラソンだから頑張らないといけない一心で練習を続けました。

何度か走っているうちに体とは凄いもので耐性がつくのか、体力もついているのか25㎞も何とか走れるようになってきました。

次のステップとして30㎞…

聞いただけで嫌になる距離…

フルマラソンにおいてこの「30㎞」が山場になる所と聞いていたので、この距離は何度か走っておく必要があるとは思っていまっした。

そして、本番の2か月前に一度走ってみることにしました。

せっかくなので35㎞を目指すことに…

しかししかし…これが…また途方もない距離…

本当に嫌になる…途中何度もやめようと考えました。

そうなりながらも何とか走り切りましたが…

今度こそいよいよ…本当にしばらく動けなくなりました。

胃腸も辛くてその日は何も食べれませんでした。

体がきついながらも何とか帰宅し、お風呂の前で倒れ込み…1時間程そのまま…

妻からも心配される始末…

何とか動けるようになってお風呂を済ませてそのまま寝ました。

翌日にはすっかり回復していましたが…しばらく長い距離は走りたくないな…と…

そうは言いつつも本番は近付いてきているので…走るしかない…

そんな気持ちで日々走ってました。

本番まであと1度は30kmは走っておきたいと、最後もう1度30kmを走ることにしました。

気が重い…

何とかそんか気持ちを振り払って…

頑張って走りました。

しかし、何ででしょう…

確かにキツイながら、脚は棒になりながらも

前回程のキツさ、動けない感じにはならずに済みました。

1度走って体力、筋力がついたのか…

まぁ、その辺は考えにくく…恐らく体調の問題だろうと片付けました。

そうして何とか本番までの事前練習終えて怪我や体調不良なく本番を迎えることができました。

初のフルマラソン…

35kmから先は未知の世界。

ドキドキしながらスタートを切りました。

序盤は順調。

何より感じたのは…沿道の応援。すごくパワーになることを痛感しました。応援されると頑張れる。

20キロ付近で徐々に脚が棒になりつつあり、ペースも落ちてきました。

30キロ付近では、脚はもう棒…

練習で走ってはいたものの、本番では練習よりも速いペースで走っているため脚の疲労も練習以上…

35キロを過ぎ…今までに走ったことのない未知の領域に踏み込みました。

脚は棒というより、もう痛い…

もういつ止まってもおかしくない状況。あとは気持ち!

ここで歩いたら二度と走れなくなる感覚はありました。

絶対に止まらない!と気持ちだけで一歩一歩前に進みました。

そして…何とか…ゴール!

記録は

3時間26分

初マラソンにしてはかなり上出来だそう。

ただ、ゴール後はゴール付近で30分程、寝た状態から動けなくなりました。

恐らく…脱水に低血糖…ダブルパンチ…

一緒に走った後輩と落ち合わないといけないのですが…もう体が動きません。

「もう二度と走るもんか。こんなキツイ思いをして…」

そう強く思いました。

時間が経ち、水分と糖分が体に染み込んでいく感覚がありました。

しばらくすると何とか動けるようになりましたが、脚は棒のまま…

ゆっくりゆっくり歩いて後輩と落ち合い。ゆっくりゆっくり着替え…

ゆっくりゆっくり駅に歩いて帰宅しました。

家族も応援に来てくれていたため、駅からは車で何とか家まで帰り着くことができましたが…

本当に疲労困憊で動きたくない状態…晩御飯も食べてませんでした。

翌日は仕事はお休みをいただいていましたので、朝もゆっくり過ごしました。さすがに、この日ばかりは走るのはお休み。

ただ、疲労感などはほとんどなく、筋肉痛がみられる程度でした。

少し左膝は故障していましたが…

だんだんと昨日のフルマラソンを振り返り…

興奮が冷めませんでした。

初マラソンで良いタイムで走れたこともあり、気分は高揚。

昨日は「もう二度と走るもんか」なんて考えていたのが嘘のごとく…

「また走りたい」になっていました。

YouTubeなどで昨日のフルマラソンの映像なんかも流れていたのでそんなのを観ながら余韻に浸ってました。

気分も良く、お昼過ぎからはスポーツ店に出かけ…ついついランニングシューズを衝動買い…笑

また更に走りたい欲求が増していました。

この記事を書いた人

北九州訪問クリニックたんぽぽ 訪問リハビリテーション部 

マラソン好きな理学療法士 中島

マラソン歴5年

2009年に理学療法士免許取得。

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